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Nichiyu Giken: Can You Say Diverse?

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While in Japan recently, I made a stop at Nichiyu Giken. Talk about a diverse company. Their slogan is “from the ocean to outer space,” and they mean it. My purpose in visiting with them was to discuss their medical indicator strips, but hearing about the company background really opened my eyes.

Nichiyu Giken reaches the stars by manufacturing products that enable space travel. The company’spyrotechnic division (wouldn’t that be an interesting title on your business card) is involved in the launch of rockets for various types of observation, commercial and science satellites. Specifically, the products play a role in the ignition systems for rocket motor, satellite separation, antenna expansion and solar battery paddle expansion applications.

On the ocean front, Nichiyu Giken develops products that get dropped to the ocean floor to detect the types of materials that are present. And in between, the company offers products that can predict the potential of a lightning strike before it occurs.

Back to medical-device applications, Nichiyu Giken has developed a temperature-sensing chemical tape that lets the operator know whether a device can be handled or not. Another tape determines whether a device has been sterilised. This technology has been extended to sterilisation bags.

Nichiyu Giken currently serves Japan and various regions of Europe with its medical products, with the United States in its sights.

April 18, 2012 – 4:11 pm

 

Richard Nass

 

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First Robot Approved as Medical Device to Start Clinical Trials in Germany

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A wearable robot developed by Tokyo-based Cyberdyne Inc. has been approved by certification body TUV Rhineland as a medical device, clearing the way for clinical trials to begin in Europe. The medical device—yes, we can call it that now—can help people with leg impairments to get up and walk. Cyberdyne will export approximately 12 HAL robots to German hospital group Bergmannsheil for a clinical trial that will involve some 100 patients.

HAL, which is an acronym for hybrid assistive limb, detects biosignals emitted from the brain to a muscle when a person tries to move. The exoskeleton, fitted with an array of sensors and power units, converts these biosignals into assisted movement.

In addition to engineering smarts, the startup company from the University of Tsukuba in Japan, has a wicked sense of humour. Cyberdyne, of course, is the name of the fictional company that created the cyborgs in the Terminator films, and HAL is the name of the malevolent computer in2001: A Space Odyssey. These are not exactly cuddly namesakes, but the real Cyberdyne assures everyone that it strongly believes that “technologies should be designed for the benefit of humankind.”

If the clinical trials in Germany are successful, the United States and Asia can expect to see these robotic helpers invading their shores next.

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Hamamatsu, Kyoto University Develop Commercially Viable Photonic Crystal Laser

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Japan-based opto-electronics company Hamamatsu Photonics K.K. and Kyoto University’s Photonics and Electronics Science and Engineering Center have co-developed a photonic crystal laser, which provides high output and high beam quality at a single wavelength while controlling beam spread. The new laser potentially can be used as a light source for a variety of applications, including direct-laser microfabrication, laser excitation, wavelength conversion in projectors, position detection, distance and profile measurement and motion sensing.

An expanded emission area is required to increase power from a semiconductor laser. However, this typically results in a reduction of beam quality, because the laser excitation produces a multiphasic beam. Kyoto University Professor Susumu Noda discovered that an artificial optical nano structure, called a photonic crystal, could remedy this. He has worked with Hamamatsu since 2007 to develop high-output semiconductor lasers that preserve beam quality.

Hamamatsu plans to begin offering samples of the new laser with continuous wave 0.2-W output power to domestic and foreign medical device manufacturers and other instrument makers beginning in Q2 2014.

— Miki Anzai, Editor, MEDTEC Medical Device Magazine Japan

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軟包装用の易剥離(ピーラブル)材料

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より高い生産量、包装の一致性、そして確認精査の高まるニーズに対応すべく、包装材のサプライヤは新しい包装設計を生み出した。本記事は、医療器具用軟包装の製造において易剥離(ピーラブル)材料を使用する利点について検討する。

C. Heezen, Sealed Air Medical Applications, Elmwood Park, New Jersey, USA N. Berendt, Sealed Air Medical Applications, Poole, UK

汚染のないアクセス性

Peelable

医療器具用軟包装の設計者および開発者は、製品の製造および包装から使用にいたるまで、常に機器に対する滅菌バリアの確立と維持を念頭に置く必要がある。

しかし、もう1つの考慮すべき重要な点としては、いかにエンドユーザが効果的に、パッケージから機器を取り出せるかというパッケージのアクセス性がある。つまり、機能の設計においては、どのような状況でユーザが機器を使用するかを考慮する必要がある。例えば、以下のようなユーザがいるとする。

  • 交通事故の現場で気道確保装置を使用している救命救急士
  • 出産の前に硬膜外麻酔を管理する麻酔専門医
  • 導尿カテーテルの自己管理を実行する下半身不随の患者
  • 手術室の準備中、または人工股関節置換手術の間に外科医が使用する製品のサイズを確認した後、手術中に器具の手渡しが行われるときに、器械出し看護師に器具を渡す外回りの看護師

これらエンドユーザの状況はそれぞれ異なるが、どのケースでも、機器は汚染のない簡単で一貫したデリバリが必要とされている。易剥離性は、パッケージを破いて開けたり、その他破壊的な開封方法を使用したときに生じる粒子に関する不安を解消できる論理的なアクセス機能である。

本記事は、包装設計者が利用可能な「易剥離」軟包装材料の概要を説明する。ここで、医療機器業界には検査確認の法的要件を満たすために設計された包装形式を変えることに対して伝統的な惰性が存在しており、より効果的な新しい包装設計が利用可能である現在でも古い材料技術が未だ使用されているということも念頭に置いてほしい。

コーティング

1970 年代後半から 1980 年代前半にかけてディスポーザブル式(単回利用の)医療器具の開発ペースが進むにつれ、包装の代替手段を求める需要も増えた。包装材料サプライヤは基材サプライヤとともに、この急増したニーズに応えるため、構造開発に取り組んだ。

  • 酸化エチレン(EtO) ガスで滅菌される機器用に滅菌剤の出入りを可能にするため通気性基材が必要とされた。Dupont de Nemours 社 (www.medicalpackaging.dupont.com) が開発したスパンボンデッド・ポリオレフィンであるタイベックや紙などを含む、多孔質基材への適用向けにさまざまな溶剤をベースとしたヒート(熱)シール加工のコーティングが開発された。 これらコーティングは通気性を備え、構造全体を通過する気体の通路を有し、同時に袋や立体包装に使用される易成形フィルム向けに、ポリエチレンテレフタレート (PET) やポリエチレン (PE) などの材料に対するヒートシール加工を容易にする幅広いシール温度範囲を持つ。また、これらのコーティングは剥がしたときに明るい白のシール転写が生じるため、完全な密封を示すことができる。
  • ガンマ放射線で滅菌される機器に対しては、袋または易成形フィルム用に、2 層 PET-PE 構造や高密度PEなどのフィルムに適用する溶剤ベースのヒートシールコーティングが開発された。開発されたコーティングは一般に、グラビアシリンダによるエチレン酢酸ビニル(EVA) の塗布であった。これらのコーティングには、PE、ポリプロピレン (PP)、ポリアミド (PA) ポリカーボネート (PC)、PET、金属などの多様なバリエーションがあり、さまざまな材料に対するシーリングを可能にした。多くの場合、これらのコーティングはユーザがシーリングの状態を操作することでシールの特性を変えることができた。例えば、図1に示すように、シール温度またはシール圧力を高めることで、シール強度を上げることができた。
  • Hezeen_Fig1_210

    図1: 標準剥離強度、コーティング加工済みの紙とフィルム。

これらのコーティングは多用途であったが、特有の問題があり、それが次世代の易剥離技術の発展を促すことになった。これらの問題とは以下を含む。

  • コーティングにおける溶剤の残留
  • 品質と皮膜密着性におけるばらつき
  • 通気性基材の多孔性の大幅な低下
  • フィルムに対するコーティングの密着性維持の難しさ
  • コスト

多孔性基材向けの次世代コーティングは、主にエアナイフによって塗布される水ベースの EVAで、溶剤ベースのコーティングに関連する問題の多くに対応している。

さらに、新しいポリマー技術によって塗布されたコーティングの多孔性向上が実現し、皮膜制御における進歩によって均一性と品質が向上した。ホットメルト加工を用いるその他のコーティングでも幅広いシール温度範囲を維持しながら多孔性を向上することが可能になった。

今日、包装設計者にとって密着性皮膜加工済みの基材は検討すべき多用途なオプションとなっている。これら基材は、約30℃の広いシール温度範囲と一貫した可視性のシール転写(剥離すると明るい白色になる)を提供し、一部のケースではEtOおよびガンマによる滅菌に対応したパッケージの製造も可能にしている。

しかしながら企業の実験室における最近の試験では、まだ広く報告されてこそいないものの、これらのコーティングが時間経過と共に原形を保つことができなくなり、無菌性の破壊につながる可能性があることが示されている。

フィルム

ディスポーザブル式医療器具の爆発的成長は、数多くの軟包装材料サプライヤの注目を集めたが、これらサプライヤの多くは、すでに食品や消費者包装など他の市場で相当程度のビジネス基盤を持っていた。

これは、フィルムの共押出やラミネーションなど可撓性材料における多くの先進技術が医療器具業界に売り込まれたことを意味する。包装設計者には次のような新たなオプションが利用可能になっている。

  • 易剥離共押出フィルムは、生産規模における経済的有利性のため、放射線滅菌医療器具包装向けに費用対効果の高い潜在的選択肢であり得る。設備のサイズと出力が近年向上されており、これらの材料は機器メーカーにとってより手頃になっている。
  • 高品質の図案の裏刷(トラップ)、バリア用ホイルや図案を目立たせるための白い背景色の使用など、より優れた特性を持つ基材の取り入れが可能なラミネーション。また、ラミネーションはPETやナイロン(PA)などの熱安定性の高い外層によって、そのような外層を持たないPE共押出易剥離フィルムの使用に比べて機械加工性を高めることができるため、約20℃のより広い操作温度範囲を備えた易剥離材料の構造を可能にする。医療器具包装におけるこれらフィルムの導入で、コストの節約と加工速度向上に新たなオプションが提供された。しかし、すぐに課題も明らかになった。
  • シール強度:医療器具産業は、広い操作温度範囲と一定のシール強度閾値を持つヒートシールでコーティングされた基材の使用に慣れていた。易剥離フィルムの採用には相当の学習が必要であった。例えば、食品産業などで大規模に生産されるフィルムは、コスト面では魅力的かもしれないが、医療器具向けに特化した新製品の開発活動を維持するに足る量を確保できなければ、器具向けにシール強度の高低を容易に変更することはできない。
  • 取り扱い:ヒートシールでコーティングされた材料は硬さがあり、取り扱いが比較的容易である。フィルム、特に低ゲージ(薄肉)共押出やラミネート製品は、巻きがより強く、静電気を帯びやすく、切断とシーリングにおいて包装機械の変更が必要な場合がある。
  • 多用途性:ヒートシールコーティングには異なるタイプがあり、さまざまな軟性または硬性の材料に均一なシールと剥離性を提供できるが、ほとんどの易剥離共押出フィルムは1種類の材料だけにシールできるように設計されている。多くはPEに対するシールが可能であるが、PPやグリコール変性ポリエチレンテレフタレート (PETG) 、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)などのその他材料に利用可能なものは少ない。

最近の進歩

過去10年間で、軟包装には多くの進歩があった。特に、共押出技術の開発や、大幅に向上された性能特性を持つ超低密度PE、エラストマー、プラストマーなどの新しいポリマー、そして包装機械設計における改良などが挙げられる。

これらの進歩は、医療機器業界の特定のニーズにより焦点が置かれるようになったことと合わせて、包装設計者に以下のようなより幅広いオプションを提供している。

  • 大量の放射線滅菌された医療器具向け軟性成形ウェブにシールするときに使用する易剥離フィルムリッドストックは、費用対効果に優れたフィルムまたはフィルム包装オプションを提供する。今日使用されている易剥離シーラントは大幅に改良され、均一なシール強度を提供できるようになった上、「ISO 11607: 2006最終段階で滅菌される医療機器の包装」に従って容易に検査確認することができる。粒子が発生するため許容できない「断片」や「エンジェルヘア」など早期のフィルムに見られた問題は大部分が解決されている。
  • 易剥離フィルムは、平らなパウチや袋の製作用のコーティング加工が施されていないタイベックや医療用の紙材に対してシールするときにも使用可能である。これには標準のPET-PEが長年使用されてきたが、新しいフィルムの設計はより優れた均一性と性能を提供できる。新しいフィルムは剥離されるとき通気性基材の引き裂きや粉砕を防止することができる(Tyvek は「スキン」効果があり、切断端部までシールされている場合、層のまま剥離できる)。パッケージの多孔性も向上しており、より高速サイクルによってEtOチャンバー内でより高速の圧力変化が必要とされる、より積極的なEtO滅菌を可能にしている。
  • 横型熱成形フィルシール包装機での使用を意図した易剥離性の成形ウェブが開発され、コーティング加工が施されていないタイベックや医療用の紙材に対して均一なシールを提供している。この包装プラットフォームは、次の2つの理由でコーティング加工済みの通気性基材の使用に代わる費用対効果の高い選択肢となり得る。包装の多孔性を向上することでシールに対する応力を高めることなくより高速のEtO滅菌サイクルが可能になる。そしてリディング材料のコーティングにかかる追加費用が必要なくなるからである。
  • 処理済または「規格サイズ」の医療用紙材は、追加のヒートシールコーティングを必要とせずに易剥離シールを提供する最近開発された手段である。これらの紙材の中には強度のために合成補強材を加えたものもあり、上述の理由によって費用対効果に優れていると同時に、良好な包装の完全性と均一な易剥離シールおよび明白なシール転写を維持することができる。
  • より高い多孔性と、より幅広いシール温度範囲および均一性を持ち、より優れた密封性を実現するヒートシールコーティングの新しいバージョンが開発されている。高い性能が要求されるとき、特に硬質トレイに対してシールするときなど、これらのコーティングが有利である。

当然ながら、コーティング加工されていないトップウェブを使用する場合、紙またはタイベックのいずれにおいても、リディング材料を通してフィルム内の特殊なシーラント層内に熱が伝達される必要がある。このため、図2に示すように、通常シーリング温度はコーティング加工済みの材料より高くなっている。

 剥離強度、コーティング加工なしの紙とフィルム。

図2:剥離強度、コーティング加工なしの紙とフィルム。

検査確認の短縮化

医療器具メーカーに対する要求は増加の一途をたどっている。それらには、世界の多様な地域で行われている包装作業に対し、それら異なる地域の異なるそれぞれの生産ラインによって同じ仕様の製品が製造されることに対する要求や、市場投入までの速度に対する要求の増加、より高い生産力、検査確認に対する厳格な精査、包装の一貫性、そしてより積極的な滅菌法などの要求が含まれている。

軟包装における新たな発展は、これらの課題に対処するためのより幅広い選択肢を包装設計者に提供している。 新しい材料の到来は、選択肢の幅を提供すると同時に、包装メーカーが材料と検査確認に対するアプローチをより徹底することを必要としている。

「ISO 11607 最終段階で滅菌される医療機器の包装」に従った器具の検査確認は、無菌バリアシステム (SBS) を含め、利用可能なリソースに基づいて6~36カ月もの時間がかかり、これは包装形式および(または)材料の変更を明らかに妨げている。

この問題に対処し、新しい材料技術のメリットを生かす一つの方法は、パッケージのサプライヤからデータを取得することである。例えば、コーティング加工されていない紙材やタイベックにシールするフィルムの場合、包装メーカーはフィルムそのものだけでなく、コーティング加工されていないタイベックまたは紙材のリディングとフィルムのSBSの組み合わせに対してもISO 11607のプロトコルを使用することがある。

これにより滅菌後の5年加速劣化試験およびリアルタイム劣化試験にデータを提供することができる。器具メーカーはこれらのデータを検査確認プロトコルの一部として利用し、時間と経費を大幅に削減することができる。フィルム技術がさらに進歩し、上述したように易剥離フィルムの更なる出現で材料コーティングにかかる追加コストが削減されるにつれ、このような追加データの提供は包装の選択肢をさらに増やし、より迅速な包装の変更を実現できるはずである。

Chris Heezen is Executive Director, Global Medical Flexibles, Sealed Air Medical Applications, 200 Riverfront Boulevard, Elmwood Park 07407, New Jersey, USA.

Nicholas Berendt* is Marketing Manager, Sealed Air Medical  Applications, Fleets Lane, Poole BH15 3BT, UK  tel. +44 1202 781 241e-mail: nicholas.berendt@sealedair.comwww.nexcelmedical.com 

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射出成形蒸気滅菌用トレイ向けポリマーの選定

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医療機器に最適なポリマーを選定する事は、性能の様々な面と経済性を総合的に見る事が要求される。

ここでは、この意志決定プロセスについて、手術器具および手術用品の射出成形蒸気滅菌用トレイ向け材料の選定という観点から論じる。

C.M. Olson China Array Plastics LLC, Pittsfield, Massachusetts, USA

多様な要件

医療機器の用途を考慮に入れた上で、医療機器に最適な材料を決定する際、滅菌法を含めた美観、強度、そして耐薬品性は、設計者が理解するべき重要な要素である。設計が突発故障の可能性を回避し、患者と医師の安全を確約すると同時に、確実な方法で製造可能かどうかといった要素を検討する必要がある。

本記事では、手術器具及び手術用品の射出成形蒸気滅菌用トレイ向け材料を選定するためのアプローチについて論じる。

蒸気耐性を持つ高性能プラスチックの到来で、更なる軽さと透明性が入手可能になった。

滅菌トレイは、器具を底に置いて1枚のふたを被せるだけの単純なソリューションである。

基本的な形状設計は、取り外し可能なふたを備えた浅い 五面の箱である。今日使用されている射出成形トレイは、一般に浅いトレイ本体と透明なふたから構成され、医師が中を見ることができるようになっている。 一部のトレイ本体は、器具を保持するためのシリコンゴム製ブラケットやマットを備えており、またより小さいアイテムを保持できる 1 つ以上の「棚式」のトレイを含むものもある(図 1 と図 2 参照)。

性能要件の確定

図 1: 取り外し可能な中央トレイと内容物が見える透明なふたを備えた滅菌トレイ。トレイとベースにはシリコンゴム製のマット(青色)が敷かれ、小型のコンポーネントを配置できる。

どんな製品の設計においても、第一歩は最終的な用途の要件を定義することである。これは病院という設定では特に困難である。

製品とその成分は、本質的にできる限り安全である必要があり、かつユーザに望ましい利益を提供できなければならない。実際に製品が「危害を加える」ことがあってはならない。設計者はまず、適切な規制法令に最も準拠した材料を検討する必要がある。

例えば、米国食品医薬品局 (FDA) の規制に準拠していると認定された材料は、それらが本質的に人の生命に対して有害でなく、尚且つ、いかなる有害成分も溶出したり分解して生じたりすることがないことを示すための様々な試験を受ける。

その用途は、蒸気オートクレープへの繰り返し浸漬を必要とするため、樹脂製造業者の提供する技術データを検討して、材料が滅菌処理の条件によって影響を受けるかどうかを判断する必要がある。

これら滅菌処理の条件には、飽和蒸気、ボイラー添加物(一般に腐食を遅らせるため蒸気発生器の給水に追加される反応性が高いアミンベースの脱酸素剤)などの化学物質、そして殺菌剤が含まれる。

また、蒸気オートクレーブ滅菌サイクルは 121℃ (250°F) の飽和蒸気(「重力置換」サイクル)から 140℃ (285°F) (「フラッシュ」サイクル)まで幅広いため、最高温度耐性も重要である。1

一部のエンジニアリング材料は、121℃ (250°F) の飽和蒸気では優れた性能を示しても、プラスチックの熱可塑性軟化点における本質的な制限のため、132℃ (270°F) 以上ではそうでない場合がある。

さらに設計者は、強度や負荷のかかった状態での剛性および耐衝撃性など、アッセンブリで要求される物理的負荷も考慮する必要がある。

設計においては、スナップフィットや補充ハードウェアなどその他要素を総合して検討される。視覚的透明性が必要か、ロゴや操作方法の説明または警告文などのグラフィックが必要か、必要な場合グラフィックは滅菌環境に耐えられるか、そして最後に、その成形樹脂は確実な射出成形に利用できるか、などが考慮される。

最終用途環境

図 2: この滅菌トレイはスコープやその他長いアスペクト比の部品などの器具を保持する設計である。透明のふたを備え、ふたを開けることなく(つまり無菌野を破壊することなく)医師が内容物を確認できる。

すべてのアプリケーションは、製品の性能に影響する可能性のある未知の要素の有無を判断するために、最終用途環境の徹底的な検討を行うべきである。

熱可塑性に影響する最も重要な要素には、温度、化学物質への暴露、そして負荷が含まれる。温度と化学物質は高分子構造に影響し、衝撃、振動、周期的な負荷は機械的性能に影響する。 熱可塑性材料については、温度が最初のチェックポイントである。

熱で軟化して強度などの性質が失われる。洗浄と滅菌処理は、熱と化学物質の両方を組み合わせて行われ、ここではこれらを重点としている。

蒸気滅菌は手術器具向けであることがよく知られている。手術室用品とその他滅菌技術は、根本的に異なっている場合がある。

紙や使い捨てアイテムのパッケージなど、異なるタイプの材料に適しているものもある。

設計者は、最終製品がその環境において期待される性能を評価し、設計する製品があらゆる滅菌方法に対応する必要があるかどうかを判断する必要がある。

蒸気滅菌は、手術器具の殺菌に最も古くから最も一般的に用いられている方法であるが、蒸気温度に耐性がない精密器具には酸化エチレン (EtO) ガスやプラズマ滅菌など、その他の方法も使用されている。滅菌法の比較を表 I に示す。 滅菌法に加え、トレイの性能に影響する可能性があるその他要素があるかもしれない。

例えば、どのくらいの積載物に対応する必要があるか、トレイが強溶剤や洗浄剤などでの前洗浄や浸漬を受けることがあるか、トレイがどれくらいの頻度で繰り返し使用されるか、一日 1回か、一日 10回か。設計段階でこれらの質問をすることで、完成製品に不測の事態が生じる可能性を低くする事ができる。

選択リソース 適正な材料の選定は迷うことがある。材料探しは往々にして同じように見える数多くの種類の樹脂に出会うが、実際は特定の用途に対して重要な特性が欠けている場合がある。また中には不要な特性を持っているものもある。

まず最初に着手すべき事は、材料データベースにアクセスし、必要不可欠な特性を持つ樹脂を見つける事である。

射出成形用樹脂の特性について学ぶことができる数々の優れたェブサイトがある。 IDES は多くの樹脂製造業者から特性に関するデータを集める材料情報データベース企業であり、重要な特性を追加・除外をしデータベースにクエリできる検索ツールを提供している。2

MatWeb は派金属を含む材料データベースである。3

CAMPUS(Computer Aided Materials Preselection by Uniform Standards 統一規格によるコンピュータ支援の材料選択)は世界中での材料の使用に対応するため、試験および材料特性の報告を統一することを目的として 1988 年に設置された。4

このようなデータによって、技術者は類似したグレードの材料を選択する際、競合している樹脂メーカー間でより客観的な選択ができるようになる。樹脂の適切な候補グレードが見つかれば、設計者は直接樹脂メーカーにより詳細な情報を問い合わせることができる。

多くの樹脂メーカーが用途に特化した試験を行い、蒸気や熱水、化学物質などの環境における製品の性能を提示してくれる。以下に設計者がよい製品を作るのに役立つ材料選定ステップの基礎的な枠組みを示す。

意思決定のステップ

表 I:蒸気オートクレーブトレイ用熱可塑性成形樹脂の比較表。評価尺度:1 = 最も適していない;5 = 最も適している。
汎用材料蒸気オートクレーブEtO低温ガスプラズマ相対コストコメント
ポリカーボネート345$蒸気滅菌トレイには推奨されない
液晶ポリマー polymer 255$$$化学・プラズマ滅菌に最適
ポリスルホン444$$$高強度、限定蒸気オートクレーブに適している ポリエーテルイミド
ポリエーテルイミド554$$$より高強度、繰り返し蒸気オートクレーブに適しているポリエーテルサルホン
Polyethersulphone554$$$$より高強度、繰り返し蒸気オートクレーブに適している ポリフェニルサルホン
より強靭、繰り返し蒸気オートクレーブに適している ポリフェニルサルホン 554$$$$$より強靭、繰り返し蒸気オートクレーブに適している ポリフェニルサルホン

ステップ 1:特性の選択― 最初に設計者は用途に合わせ重要な特性の一覧を作成し、それを「必須」と「あったほうが良い」に分ける必要がある。

これが完了したら、1 つ以上のデータベースにクエリをし、候補となる樹脂の一覧を生成する。

(特性の)重要度の順位を確立し、それに照らして材料を順位付けする。

滅菌トレイ向けのグレードを選択する時は、候補となった樹脂グレードの全てが射出成形加工可能でなければならない。

主要な特性は、FDA 準拠、蒸気耐性および化学物質耐性、剛性および耐衝撃性の順に順位付けすることができる。

また、カバーふたのアッセンブリ向けには透明性も考慮する事ができる。

ステップ 2:経済性と可用性― 材料の費用は、購入するグレードと数量で異なるため、設計者は樹脂メーカーから価格設定を取得し、特性のマトリクスに加える必要がある。

樹脂の価格は、全部をプラスチック製とも成し得るトレイにかかる費用の最大比率を占め、さらに高性能樹脂は高価格である。

材料使用についての現実的な決断は、最大限に良い価格を得られる決断でなければならない。

設計者は最高品質の製品を確実に入手できるように、樹脂メーカーまたはその認定販売店に働きかける必要がある。

材料の「証明書」、すなわちロット毎に追跡可能な樹脂メーカーが発行する文書を取得すべきである。

また、材料の可用性も重要な検討事項である。最良の候補材料は、生産地で利用可能か。

例えば、発展途上国で高性能樹脂を見つけることは困難な場合がある。

また材料は、工場の拡張や大災害によって引き起こされた混乱の結果、供給が停止する事もあり得る。どんな輸入税率や制限があるか。1 つ以上のグレードを指定できるか、あるいは材料の供給元は 1 社だけか。

材料の不足や供給停止の場合の代替手段は何か。可能な限り、常にこれらの落とし穴を回避できる様、 1 つ以上の供給元または種類の樹脂を指定しておくことがベストである。 ステップ 3:製品設計― 機能面と製造可能性の観点から見て、製品の設計は重要である。

トレイは射出成形されるため、ゲーティングおよび材料の流動性は不可欠である。

内容物の滅菌は蒸気の導入に依存するため、壁面は透過孔が必要となる。箱体は剛性を必要とするため、補強用肋材を底部か側部に設けることが望ましい場合がある。ふたはどのように取り付けられるのか?

連結式スナップフィットタブは 1 つの選択肢であり、またはバネ付ステンレスクリップがより高い耐久性を提供できる場合もある。

今日の三次元モデリングソフトウェアの多くが、部品モデルを作成して挿入し、特定の材料で製造したトレイ設計の強みを示すことができる。 ステップ 4:ツールと成形― あらゆる用途での成功に不可欠なのが、良い部品を成形する能力であり、良い成形は良いツールから始まる。

よく最も安い金型が機能する金型であるとよく言われる。ツールメーカーが経験豊富であり、高品質の金型製造の実績ある記録を持っていることを確認する。ツールの品質で手を抜くと、成形された部品に問題が生じやすい。 高性能ポリマーを選択する時は、低応力で寸法が安定した部品を確保するために、これらの材料は優れた熱管理を必要とすることを覚えておくべきである。最適な材料の流動性を確約するためには、肉厚とゲーティングが考慮されなければならない。金型の充填はダイレクトスプルーゲート、またはホットチップブッシングで行うことができる。部品が設計できたら金型充填分析ソフトウェアを実行してこの選定に役立てることができる。

これはまた、高応力の領域を指摘して、それを許容可能なレベルに引き下げる方法を提示する。

ステップ 5:材料の選定― いくつかの材料の費用と利点を評価した後、より好ましい選択肢が現れる。

この例では、蒸気滅菌トレイの評価基準を最も満たすことができる材料がいくつかある。これらの材料は、非晶質熱可塑性樹脂の 2 つの群、サルホン系ポリマーとポリエーテルイミド系ポリマーに属する。

こういった材料は、蒸気と化学物質に対して良好な耐性を持ち、かつ繊維強化材を使用することなく優れた機械的強度を持っている。

どちらも透明褐色で取得でき、かつ限られた範囲の色で(固有の黄色がかった色合いと熱安定性のある顔料の範囲が限られているため)容易に着色できる。

ベストプラクティスと従来技術を詳細に調査することによって、特定の材料が同様の用途で上手く使用されているかどうかを明らかにすることができる。これは最終的な選定において、設計者が自信を与えることができる。

例えば、ある調査によってポリエーテルエーテルケトンまたは液晶ポリマーなどの結晶性ポリマー材料は、優れた耐薬品性があり、プラズマ滅菌により適していることが示されることがある。非結晶性ポリマーは透明であり、補強なしでも高い強度を備えている。

ステップ 6:試験および検証― 部品が成形され組み立てられたら、トレイがどの程度良く機能するかを判断するために、最終用途試験を行う必要がある。

トレイに滅菌を繰り返し、破損、ひび割れ、変色がないか観察する。

この用途向けのその他試験には、落下衝撃、清浄度、透明性または任意の求める性質に対する試験を含むことができる。さらに、ユーザはこのトレイを第三者試験機関に提出して、滅菌効力を評価することを推奨する。

表 II は、反復滅菌環境使用向けのいくつかの高性能熱可塑性樹脂の適合性を比較したコストと性能の相対的概要を示す。

製品成功の達成

表 II:滅菌法の 3 つの主要な方法の比較。

■ 蒸気滅菌は医療用品および手術器具を殺菌するための熱チャンバ(オートクレープ)で飽和(加圧)蒸気を使用する。5

内部の温度範囲は最低121 ℃ (250 °F) から最高(標準) 140 ℃ (285 °F) である。手動オートクレープは単に蒸気圧を含むだけの場合がある。より高度なマシンは、総サイクルタイムを短縮する手段として真空を使用し、チャンバから空気を取り除き、サイクル完了後に蒸気を排出する。

■ プラズマ滅菌は過酸化水素を無線周波数で励起して生物因子を殺すことができる、腐食性かつ高反応性のガスを形成する、低温滅菌処理法である。6

この方法の利点は、光学およびエラストマー部品を備えている内視鏡などの精密器具に役立つ、40 ℃ (104°F) という低温である。サイクルは速く、滅菌後いかなる有害な副産物も残らない。 プラズマは水と酸素に分解する。ただし、トレイに金属が使用される場合、プラズマの腐食性が重金属汚染物質を溶出させ、蒸気オートクレーブ滅菌には適しているポリマーでも分解してしまうことがある。

■ EtO ガス滅菌は通常 49 ~ 60 ℃ (120--140°F) の低温で作用するという点においてガスプラズマ滅菌と同様であり、また生物因子に対する高い毒性を持つ。 しかし、滅菌の前と後共に EtO ガスの毒性が残り、その結果、安全な取り扱いと、殺菌された物品から EtO ガスの残留を取り除くため、場合によっては最大 18 時間にわたる長い滅菌サイクルを必要とする。ポリマーの中には EtO ガスを吸収するものもあり、特定の条件下でひび割れを起こすことがある。

あらゆる用途に対する適正なプラスチック樹脂の選定は、コストと性能のバランスである。多くの種類の材料は、良好な性能を示すかもしれない。

しかし、顧客の期待を満たす安全な製品を提供できる性能レベルを判断するのは、メーカーの責任である。

樹脂の供給元に相談して補助的な用途に特化したデータを取得し、最終用途試験によって設計を検証する事で、時間とリソースを節約することができる。基礎的な枠組みとして、これらのステップに従う事で設計者は知識を得た上で決断を下し、始めから製品が成功するチャンスを高めることができる。

参考文献

1. M. Reichert and J.H Young, Sterilisation Technology for the Health Care Facility, Jones & Bartlett Publishers Inc., Sudbury, Massachusetts, USA (1997).
5. ST79, "Comprehensive Guide to Steam Sterilisation and Sterility Assurance in Health Care Facilities (ANSI/AAMI , ST79:2006 and ANSI/AAMI ST79:2006/A1:2008)AAMI," Association for the Advancement of Medical Instrumentation, www.aami.org/publications/standards/st79.html
6. M. Moisan et al., "Plasma Sterilization, Methods and Mechanisms," Pure and Applied Chemistry, 74, 3, pp. 349–358 (2002).
7. http://www.sterrad.com/SI/Products_&_Services/STERRAD/STERRAD_200_GMP/, ASP Division of Johnson & Johnson, Irvine, California, USA.

著者

Carl M. Olson is Vice President Sales and Marketing at China Array Plastics LLC, The Clocktower Building, 75 South Church Street, Pittsfield, Massachusetts 01201, USA, tel. +1 413 499 9890, e-mail: carlm.olson@gmail.com www.chinaarray.com

 

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医療用MEMS:動作検知技術は、次世代の医療機器設計にどのような変化をもたらすか

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MEMSベースのシステムは、股関節や膝のインプラントを患者の生体構造に合わせる際の精度を大幅に高め、不快感を軽減し、修正手術の必要性を減少することができる。

通常、ナビゲーション・システムは、自動車やトラック、航空機、船舶、そして当然、人に関連するシステムである。医療技術においても重要な役割を果たすようになりつつあり、精密医療用機器やロボットに用いられている。手術ナビゲーションツールの設計要件は、従来の車両ナビゲーションと幅広い類似性を共有しているが、いくつかの明白な課題ももたらしている。これは、例えば機器が屋内で使用されるためにGPSの補助が不可能であることや、より高レベルの性能が要求されるといったことが理由である。

本記事では、医療用ナビゲーションの応用固有の課題を検討し、センサメカニズムからシステム特性まで、潜在的な解決策を探る。重要なセンサー仕様を見直すと共に、センサの選択時に考慮すべき潜在的エラーやドリフトのメカニズムも確認する。例えばカルマンフィルタリングを使用することによる統合、融合、処理を通したセンサの強化についても検討する。ただし、詳細を見ていく前に、慣性MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステムズ)センサ技術の基本原則のいくつかについて見直しておくと役立つかもしれない。

MEMS の基礎
 

非標準的と考えられたこともあったMEMSは、現在多くの人々が日々触れる成熟した技術となっている。MEMSは自動車をより安全にしたり、携帯電話の可用性を高めたり、ツールや運動器具の性能を測定・最適化したり、入院および外来患者の健康管理を大幅に改善したりしている。

加速度/位置傾斜角速度/角度振動衝撃
CPRアシスト患者モニタスキャン装置振動制御高価値装置保証
行動モニタ

入院患者

ポジションイング

手術器具装着器具 

生体自己制御

モニタ

血圧計   
 画像装置人工装置  
表1:動作タイプ別の医療用アプリケーション

リニア動作検知に使用されるMEMSデバイスは、通常シリコンウェハの上に構築されたマイクロマシン加工されたポリシリコン表面構造をベースとしている。マイクロマシン構造は、ウェハ表面上にポリシリコンスプリングによって吊るされ、加速力に対する耐性を提供する。

独立した固定プレートと移動質量に取り付けられたプレートから構成される差動コンデンサによって、加速下でMEMSビームの偏向が測定される。したがって、移動によって差動コンデンサの平衡が失われ、加速度に比例した振幅でセンサ出力が得られる。

身近な例を使用すると、事故によって自動車に突然の過大な減速が生じたとき、エアバッグセンサ内のMEMSビームがそれと同じ動きをしてコンデンサの平衡が失われ、最終的にエアバッグの展開を起動する信号が生成される。

この同じ基礎的な加速度計の構造に、おそらく異なる用途の性能パラメータ向けに調整を加えれば、正確な傾き、速度、さらには位置の表示を提供することができる。別の、ただし技術的に関連性のあるジャイロスコープと呼ばれる構造は、回転速度を検出し、加速度計のgs、重力とは対照的に、度/秒で出力する。

動作検知を医療・ヘルスケアの現場へ
最小限の電力のみ消費する小型デバイスで動きを正確に検出かつ測定する能力は、動きに関わるほぼあらゆる用途に、そして動きの欠如が重要である場面でも、価値あるものとなり得る。表1で動作の種類別にいくつかの基本的な医療用途を概説する。更なる課題を突きつけるより高度な応用については後で論じる。

シンプルな動作検知を超越する

シンプルな動作検知、たとえば1つの軸に沿った線形移動などは、価値のあるものである一方で、ほとんどの応用は複数の軸上で生じる複数の動作の種類を含んでいる。この動作の多次元的な状態を捕捉することは新たなメリットを実現するだけでなく、1つの動作の主軸の測定に軸外の撹乱が影響する状況において、正確性を維持することを可能にする。

図 1: フル動作評価に必要な6自由度動作測定: 線形のx、y、z動作とロール、ピッチ、ヨーレートの回転。 

Roll=ロールPitch=ピッチYaw=ヨー

多くの場合、物体が行った動作を正確に判定するには複数のセンサタイプ(たとえばリニア、回転など)を組み合わせる必要がある。たとえば、加速度計は地球の重力に対する感度が高いため、傾斜角の判定に使用することができる。

つまり、MEMS加速度計はa +/-1gの場(+/-90o)を通して回転されるため、その動作を角度で示すことができる。しかし、加速度計は静的加速度(重力)と動的加速度を区別することができない。

この場合、加速度計にジャイロスコープを組み合わせ、組み合わせられたデバイスの追加のデータ処理で線形加速度と傾きを識別することができる(すなわち、ジャイロスコープの出力が加速度計によって示された見かけの傾きと一致する回転を示す)。システムの力学(動作の軸の数と動作の自由度)が増加するにつれて、センサ融合プロセスはより複雑になる。

また、環境がどのようにセンサの精度に影響するかを理解することも重要である。温度は明らかな考慮事項であり、補正することができる。実際、高精度センサはあらかじめ較正されており、動的に自己補正する。考慮すべき比較的目立たない要因は、非常に小さな振動でさえも回転センサの精度に変化を生じる可能性である。これらの効果は線形加速効果と振動誤差として知られ、ジャイロスコープの品質に大きく依存することがある。ここでもまた、加速度計を使用して線形加速度を検出し、この情報とジャイロスコープの線形加速度に対する感度の較正済みの理解を補正のために適用することで、センサ融合がパフォーマンス改善に役割を果たすことができる。

多くの応用において多自由度の動作検知が必要とされる。たとえば、6自由度慣性センサは、ロール、ピッチ、ヨーと呼ばれる各x、y、z軸上の線形加速度と、同じ3つの軸上の回転移動を検出する能力を備えている(図1)。

車両から医療用機器のナビゲーションへ

ナビゲーション補助としての慣性センサの産業的利用は広がりを見せている。一般に、センサはGPSなどほかのナビゲーションデバイスと組み合わせて使用される。

センサの種類主な利点潜在的な限界医療用ナビとして利用可能?
GPSセンサ長期的絶対参照妨害される可能性不可
磁気センサインフラ不要フィールド干渉の対象限定的
光学センサ直感で理解可能視線妨害の可能性限定的
慣性センサ自立型・内蔵絶対ではない相対参照
表2: 一般に普及しているナビゲーションセンサと、医療用途に適している機能。

GPSアクセスが信頼性に欠けるときに慣性ガイダンスが自律航法(デッドレコニング)を使用してカバレッジの欠落部分を埋めることができる。最も単純なナビゲーションを除き、ほとんどのソリューションがあらゆる条件下で必要な精度とパフォーマンスを実現するために複数のセンサタイプに依存する。

GPS、光学センサ、磁気センサはよく理解が進んでおり、提供されている。しかし、各技術には制限があり、組み合わせても互いの不正確さを完全に補償することはできない。MEMS慣性センサは、同じ干渉の多くの影響を受けず、外部インフラストラクチャが不要なため、センサの不正確さを完全に補償する可能性を有する。

必要なのは慣性だけで、衛星、磁場、カメラのどれも不要である。主要なナビゲーションセンサ技術の概要と、それぞれの強みおよび潜在的制限を表2に示す。

車両ナビゲーション装置がGPSブロッケージの影響を受けるように、医療用システムで使用される光学ガイダンス技術は、見通し線ブロッケージに直面することがある。慣性ベースのセンサは光学ブロッケージ事象中に自律航法を実行することができ、冗長的な検知を提供することでシステムの信頼性を高めることができる。

医療用ナビゲーション

表2に概説した原則の医療向け応用の1つが、手術室での慣性センサーの使用であり、患者特有の解剖学的構造に基づいた人工膝または股関節のより正確な位置合わせを達成することを目的としている。

この場合、1°未満誤差で患者の自然な軸にインプラントを合わせることを目標とする。95%以上の人工膝関節全置換術(TKA)手順で実施されている機械的位置合わせは、通常誤差が3°以上になる。

図2:小型慣性測定ユニットの内部ブロック図

光学的位置合わせを使用したコンピュータ補助によるアプローチは、おそらく設備経費がかかるために取り込みが速やかに進んではいないものの、一部の機械的な手順を置き換え始めている。機械的または光学的位置合わせの使用を問わず、これらの手順の約30%はずれ(3°を超える誤差と定義)につながっている。

これは、患者に不快感を与え、往々にして追加の手術を必要とする。ずれを減少することは手術時間を減少し、患者の快適さを向上すると共に、より長持ちする関節置換につながる可能性がある。

完全多軸慣性計測装置(IMU)の形式の慣性センサは、TKA手順の精度を大幅に高めることが示されている。ADIS16334(図2)のような装置は、3つの線形センサと3つの回転センサというすべての必要なセンサを含んでおり、機械的および光学的位置合わせ法を置き換えることができる。

この装置は複数のセンサタイプを使用しており、ジャイロスコープの線形化速度シフトや線形および回転センサの温度ドリフトなど、センサのドリフト機構を動的に補正する内部処理を用いる。

標準の4線式シリアルインターフェイス(SPI)がこの比較的複雑な高精度センサにシンプルなインターフェイスを提供する。

MEMS慣性センサは非常に信頼性が高く(自動車産業における20年間の実績があるとおり)、携帯電話やビデオゲームでの成功によって示されるように、商業的に魅力的である。しかしながら、パフォーマンスレベルに大きなばらつきがあり、ゲームに適した装置はここで概説した高性能ナビゲーションの問題に対応することができない。

システム変数条件/検討事項
環境インドア/アウトドア、温度、衝撃/振動、干渉源
パフォーマンス格付け/ゴール正確さ、リピート性、スピード、安定性
オペレーターアシストされているか否か、訓練受けているか否か
安全性生命への危険性、手に届くか、冗長度
予算導入へのコスト、時間、リスク
表3: システム目標/制限を定めることで、より適したセンサーが選択できる。

ここで注目する主なMEMSの仕様はバイアスドリフト、振動の影響、感度、ノイズである。高精度産業用および医療用ナビゲーションは通常消費者向け製品で使用されるMEMSセンサのパフォーマンスレベルより桁違いの高さを必要とする。

表3にセンサ選択の絞込みに役立つ一般的なシステムの考慮点を示す。

ほとんどのシステムは複数のセンサタイプを効果的に癒合するためにカルマンフィルタの何らかの形態を組み込んでいる。

カルマンフィルタはシステムダイナミックスモデル 、相対的センサ精度、その他用途別の制御入力を考慮して、実際の動きの最良の判定を効果的に行う。

高精度慣性センサ(低ノイズ、低ドリフト、温度/時間/振動/供給の変動に対する安定性)はカルマンフィルタの複雑さ、必要とされる冗長センサの数、許容可能なシステム運用シナリオにおける制限の数を低減する。

医療用MEMSの複雑性
 

比較的単純な動作キャプチャから複雑な動作分析まで、医療向け応用は幅広いが、センサの高性能要件は複雑で高度な計算を要する設計の課題を突きつける。

幸い、これら次世代の医療上の課題を解決するために必要な原則の多くが、センサ融合および処理法を含め、産業用ナビゲーションの課題からの実績あるアプローチに基づいている。

医療用ナビゲーションにおいては、動きの複雑さおよび精度と信頼性に対する要件が、複数のセンサ、追加のセンサ事後処理、洗練されたアルゴリズム、複雑なテスト、補償スキームの必要性につながっている。

消費者向け用途における小型で低電力の多軸センサが強力に推奨されるのと平行して、環境的に堅牢で高精度、低電力、高性能なセンサに同様に力を注いでいる開発者がいる。これら慣性MEMSデバイスは精度、サイズ、電力、冗長性、アクセシビリティの面で既存の測定および検知技術を凌駕するメリットを提供する.


Bob Scannell
 is Business Development Manager, Inertial MEMS Products, Analog Devices Inc., 7910 Triad Center Drive, Greensboro, NC 27409, USA 


tel. +1 336 605 4031
e-mail: bob.scannell@analog.comwww.analog.com

本記事のオリジナル(英語)の初出は、2011年6月号のEuropean Medical Device Technology誌。

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レディガガの臀部手術で新手術法に注目集まる

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ポップ界の女王レディーガガが先週、臀部の手術を受けた。1カ月以上前にワールドツアー「ボーン・ディス・ウェイ・ボール」中にケガを負ってから激しい痛みを隠していたが症状が悪化し、滑膜炎になり手術に踏み切ったという。このニュースを受け、英Surgical Innovations社はプレスリリースを配信し、先駆的な低侵襲臀部手術の技法に注目が集まるだろうと期待を寄せている。

 

その技法とは、臼蓋のまわりを環状にとりまいている繊維軟骨を、関節の内視鏡で観察しながら手術をする方法。高い技術が必要なため、実際にはまだ限られた人数の整形外科医によってのみにしか実施されていないが、今後、外科医向けの訓練が実施され、手術の回数も増えていくに従い、本手法が用いられるケースも多くなる。そう予言するのは英Surgical Innovations社の臨床顧問委員を勤めるJon Conroy医師。ガガがツイッターやフェイスブックなどで手術について投稿しているのも、手術の宣伝に大きく貢献するとみられている。

Conroy医師は、「臀部の関節を覆う結合組織の層である滑膜の炎症は、スポーツ選手やダンサーにおこりやすく、放っておいて自然治癒する種類のものではない」と語る。「ガガが受けたような手術により臼蓋のまわりを環状にとりまいている繊維軟骨を縫い合わせ、関節鏡視下手術を追加的におこなうことで人工股関節置換手術をしなくてもすむようにする」という。

今回のことで内視鏡による臀部手術は、有名人によるお墨付きをもらえたと言えるのか?しかし、何でも有名人に頼るというのは危険ともいえる。義肢メーカーのÖssurオズール)社やナイキは、両足義足のランナーのオスカー・ピストリウスを広告に起用し、オリンピックやパラリンピックでの彼の活躍で企業イメージを上げたかに見えたが、ピストリウス氏が、恋人を殺害したとして訴追され、被告になってしまったことによるイメージダウンは避けがたく、有名人によるお墨付き(celebrity endorsements)の難しさを姉妹誌MD+DIの編集者Jamie Hartford編集長はブログで語っている。

 

 

MEDTEC Japan、セミナープログラムを発表

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医療機器業界の最新情報を学べる「MEDTEC Japan国際セミナーが、今年は4月24日(水)・25日(木)に東京ビッグサイトで開催される。

毎年好評のセミナー(事前登録制・有料)のスケジュールが公表された。

国際セミナー」の初日には、海外展開をしている国内医療機器メーカーによる成功事例の紹介、二日目は国内外の医療機器規制の最新動向及び再生医療周辺で使用される医療機器の解説が予定されている。企業の視点から海外進出で体験した法規制への対応方法や、進出ポイントなどが成功事例と合わせて紹介されるため実践に役立つ情報も多いと期待される。

さらに、異業種から医療機器分野に参入した企業の成功要因などを重点に学べる「サプライヤー向けセミナー」も新たに企画されている。実際に参入を果たした3社による具体的な参入障壁の克服法や成功の要因が解説されるだけでなく、大手医療機器メーカーが医療機器サプライヤーに求める製品・技術など、最新動向や買い手側の購買方針などの解説も予定されている。

また、「スマートヘルスケア」セミナーでは、次世代のスマートヘルスケアの実現にむけて、市場動向や最新トピック、求められる技術、今後の方向性などを産官学の代表が講演、及びパネルディスカッションで討論する。

BIOMEDevice」セミナーでは、医療機器向けマテリアル市場のコンビネーション製品や医療・医薬のクロスオーバーについて、最新動向や新素材・製品の開発・設計に有効な技術に関する講演などが企画されている。

詳しいセミナースケジュールは以下の通り。(添付PDFファイルからもご覧いただけます)



【セミナー 一覧】

セミナー名4月24日(水)4月25(木)
「MEDTEC Japan 2013 国際セミナー」
「サプライヤー向け」セミナー
「スマートヘルスケア」セミナー
「BIOMEDevice」セミナー

 

 

 

 

 

【各セミナーの詳細】
(1) 国際セミナー

4月24日(水)

9:00-9:05

開会の挨拶

中尾 浩治 日本医療機器産業連合会 副会長、日本医療器材工業会 会長テルモ株式会社 代表取締役会長

9:05-9:50

■医療イノベーション推進のための医療機器の海外展開タスクフォース
[概要]医療機器は他の産業インフラの海外展開と同じく、パッケージとして国の総力を挙げて取り組むべきで、医療イノベーションの推進にあたって、医療機器の海外展開に関連する各省庁、関連機関が一体となって対応していく必要がある。

妙中 義之 国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター長 研究所 副所長

9:50-10:35

■東芝CT スキャナのグローバルマーケティング活動紹介

[概要]東芝メディカルシステムズ社の主力商品であるCT スキャナのグローバルマーケティング活動を紹介する。

浜田 祐二 東芝メディカルシステムズ株式会社 CT 事業部 グローバルマーケティング担当 グループ長

10:35-10:50休憩15分



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10:50-11:35

■日本から世界へ ~低侵襲治療の普及をグローバル規模で~
[概要]工業用ワイヤーロープ製造の部品メーカーが、なぜ心臓血管治療用の医療機器(PTCAガイドワイヤー)を開発することができ、世界的な知名度を得るまでに成長できたのか? 医療機器への参入と海外展開戦略について紹介する。

宮田 昌彦 朝日インテック株式会社 代表取締役社長

11:35-12:20

■タイの医療制度とメディカルツーリストを誘致しているバンコク病院の現状
[概要]タイの医療制度に関する概要。株式会社運営のビジネス病院であるバンコク病院の紹介。メディカルツーリズム実績とサービス内容を現地の病院勤務の日本人スタッフの視点から紹介する。

田中 耕太郎 バンコク病院 ジャパン・メディカル・センター マーケティング・マネージャー

12:20-13:20昼休憩(60 分)
13:20-14:05

■日本の医療機器の海外販路拡大支援策について(仮)
[概要]インド経済の最新概況と日系企業の進出動向及びインドの医療機器市場の最新業界動向と規制情報などを紹介する。

設楽 隆裕 日本貿易振興機構(ジェトロ) 機械・環境産業部 機械・環境産業企画課 課長代理

西澤知史 ジェトロ ニューデリー事務所調査担当ディレクター

14:05-14:50

■インドにおける病院設立と同国の医療の現状について
[概要]豊田通商とセコム医療システムは、現地財閥と共同でインドで300床規模の病院を設立する。病院設立に至る経緯、並びに同国における医療の現状などを紹介する。

渡邊 泰宏 豊田通商株式会社 ライフ&メディカル事業推進部 メディカル事業グループ 課長

 休憩(15 分)
15:05-15:50

■ベトナムの医療機器市場の概況
[概要]経済発展と共に医療投資も拡大しつつあるベトナム。ベトナムの病院・医療事情を概観しつつ、日系企業参入の可能性を紹介する。

Le Van Huong, Japan Vietnam Medical Instrument JSC CEO

15:50-15:55閉会の挨拶
城風 淳一 日本医療機器産業連合会 産業戦略委員会委員
旭化成株式会社 医療新事業プロジェクト プロジェクト長付 部長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月25日(木)

9:00-9:05■開会の挨拶
石黒 克典 日本医療機器産業連合会 法制委員会 副委員長
株式会社ジェイ・エム・エス 薬事・品質保証部 東京薬事室 参事
9:05-9:50

■医療機器の特性を踏まえた薬事制度の見直しについて
[概要]厚生労働省は、PMDA の審査人員の増員など、医療機器の承認審査の迅速化に取り組んでいる。課題解決に向けた今後の取り組みについて、薬事法改正案なども踏まえながら解説する。

浅沼 一成 厚生労働省 医療機器審査管理室長

9:50-10:35

■新たな法制度の中で求められる医療機器メーカーの役割と責任
[概要]今国会で審議される予定の薬事法改正案では、医療機器に対してどのような規制の変更が計画されているのか。新たな制度において求められる医療機器メーカーとしての果たすべき役割と企業責任のあり方について試論する。

飯田 隆太郎 サクラ精機株式会社 グループ統括本部 部長
日本医療機器産業連合会 法制委員会 委員長
一般社団法人 日本医療機器工業会 薬事委員会 委員長

 休憩(15 分)
10:50-11:35

■米国の医療機器規制の概要と最近の動向
[概要]米国で医療機器の許認可を取得するためのFDA の医療機器規制の概要を説明する。規制の今後の動向や最新情報、また、それに伴う各企業の対応などを紹介する。

岩石 千枝 ボシュロムジャパン株式会社 薬事本部 本部長

11:35-12:20

■欧州市場に医療機器を出荷するためには?
[概要]欧州市場に医療機器を出荷するためのCE マーキング取得という観点から各ステップを簡単に説明する。

大原 昌幸 テュフズードジャパン株式会社 MHS 事業部 事業部長

 昼休憩(60 分)
13:20-14:05

■中国、アジア、新興国の医療機器法規制
[概要]最近、新規制定や法改正の動きが激しい中国をはじめとするアジアや新興国の医療機器の法規制について、その概要と最近のトピックスや動向について紹介する。

中村 雅彦 株式会社サン・フレア 医療機器事業部 薬事部 部長

14:05-14:50

■ASEAN 規制の最新動向
[概要]ASEAN Medical Device Directive (AMDD)ドラフトの概略を解説。及びシンガポール、タイ、マレーシアを中心としたASEAN 地域の医療機器規制及び市場の現状について
解説する。

肘井 一也 株式会社UL Japan 医療機器部 部長

 休憩(15 分)
15:05-15:50

■再生医療周辺で使用される医療機器について
[概要]再生医療の中で使用される、細胞を分離する機器、培養で使用する自己血清を分取する機器、さらには細胞組織等を目的部位に正確に投与する機器等に焦点をあてて、レ
ビューする。

片倉 健男 国立医薬品食品衛生研究所 スーパー特区対応部門 特任研究員

15:50-15:55■閉会の挨拶
石黒 克典 日本医療機器産業連合会 法制委員会 副委員長
株式会社ジェイ・エム・エス 薬事・品質保証部 東京薬事室 参事
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 「サプライヤー向け」セミナー
4月24日(水)

9:00-9:05■開会の挨拶
竹上 嗣郎 東北大学未来科学技術共同研究センター 副センター長・教授
9:05-9:50

■イノベーションを患者に届ける
[概要]世界の医療機器産業の市場で戦える日本製品とは?メーカーがサプライヤーへ求める技術とは?日本の医療機器産業の発展に必要なイノベーションとは?イノベーションを患者に届けるために、私達は今何をすべきなのか?

松本 晃 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 前代表取締役社長 株式会社カルビー 会長兼CEO

9:50-10:35

■半導体が変える医療機器の世界
[概要]IT/デジタル化によってメディカル分野は大きく変化しつつある。新しい半導体技術そのものでセンシング等が変わり、バッテリーレス・ワイヤレス・センサーネットワークでメディカルとヘルスケアが一体化していく。

高須 秀視 ローム株式会社 常務取締役 研究開発本部長

 休憩(15 分)
10:50-11:35

■素材開発を医療機器事業に展開した事例紹介(在宅医療への異業種参入例)
[概要]帝人における在宅医療事業(在宅酸素濃縮器)における素材開発、市場開発の歴史、展開を振り返り、医療機器におけるニーズの重要性を述べる。

妹脊 和男 帝人株式会社 帝人グループ執行役員・新事業開発推進グループ長 兼 事業開発部門長

11:35-12:20

■医療機器メーカーへの部材供給に向けて知っておきたいこと
[概要]医療機器分野への参入やマッチングの進め方について紹介するとともに、部材供給における留意点について、「医療機器の部材供給に関するガイドブック」を中心に解説する。

三澤 裕 テルモ株式会社 薬事部 部長代理 兼 研究開発本部開発戦略部 主席研究員 日本医療器材工業会(医器工) 産業戦略委員長

 昼休憩(60 分)
13:20-14:05

■医療用高圧蒸気滅菌装置における滅菌物等の汚損に関する事例紹介
[概要]医療用高圧蒸気滅菌装置の医療現場において発生する幾つかの問題点の中から、滅菌処理後における滅菌物の汚損に関する知見と、それら問題解決に向けた求められる技術的対策についての報告。

清水 俊明 サクラ精機株式会社 洗浄滅菌機器事業本部 開発部 アプリケーション開発グループ 課長 日本医療機器工業会(日医工)

14:05-14:50

■眼鏡フレーム製造技術を活かした医療機器分野への参入
[概要]世界100 カ国以上に眼鏡フレームの製造・販売を展開する弊社は、長年に亘り培ってきた幅広いチタン微細加工技術を活かし眼科用鋼製器具市場に参入。更には脳外科分野にも進出し、その優れた製品性能は高評価を得ている。

岩堀 一夫 株式会社シャルマン 取締役 専務執行役員

 休憩(15 分)
15:05-15:50

■異業種から医療機器業界へ参入事例
[概要]自動車業界を得意先としてきた切削工具メーカーである東鋼は7 年前に医療機器と巡り合う。悪戦苦闘の日々が1 年続いた後、本格的に医療機器に参入することを決意。医療機器製造業許可を3 カ月で取得。その道程を披露。

寺島 誠人 株式会社東鋼 代表取締役社長

15:50-15:55■閉会の挨拶
三澤 裕 テルモ株式会社 薬事部 部長代理 兼 研究開発本部開発戦略部 主席研究員 日本医療器材工業会(医器工) 産業戦略委員長

 

3)「スマートヘルスケア」セミナー

4月25日(木)

9:00-9:05■開会の挨拶
本間 一弘 独立行政法人 産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門 副研究部門長
9:05-9:50

■医療ICT における総務省の取組
[概要]超高齢社会を迎えた我が国が抱える課題の解決策として、情報通信技術(ICT)の役割は大きくなっている。医療分野をはじめとして、超高齢社会におけるICT 利活用に関する総務省の取組について紹介する。

吉田 恭子 総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 情報流通高度化推進室長

9:50-10:35

■NEDO における医療機器開発の現状と今後の方向性について
[概要]がん診断・治療機器、再生医療デバイス、海外実証、IT 融合など、医療機器開発におけるNEDO の取り組みを紹介すると共に、我が国医療機器産業の更なる競争力強化に向けた次なる事業の方向性について概説する。

弓取 修二 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)バイオテクノロジー・医療技術部 医療グループ 主任研究員

 休憩(15 分)
10:50-11:35

■医療機器周辺におけるスマート化の影響と展望
[概要]医療機器のスマート化が進む中、周辺情報システムとの連携やビジネスモデルの再構築が重要となっている。本セッションでは、周辺分野を含む近年の動向や、事業推進に当たっての留意点について解説する。

鹿妻 洋之 オムロンヘルスケア株式会社 学術技術部 専門職 一般社団法人 電子情報技術産業協会 医療ITイノベーション戦略研究会 副主査

11:35-12:20

■スマートヘルスに関する規格について(欧米諸国の事例も含む)
[概要]ICT 技術の導入により新たな医療サービスや医療の安全化が図られると期待されているが、開発するシステムの安全性の検証手法は未だ確立されていない。現在国際的に議論されている内容についてその概要を紹介する。

佐久間 一郎 東京大学大学院 工学系研究科精密機械工学専攻 教授

 昼休憩(60 分)
13:20-14:05■パネルディスカッション:今後の「スマートヘルス」の展望
パネラー:「スマートヘルスケア」セミナー全講師
14:05-14:10■閉会の挨拶
本間 一弘 独立行政法人 産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門 副研究部門長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4)「BIOMEDevice」セミナー

4月25日(木)

9:00-9:05■開会の挨拶
岩田 博夫 京都大学 再生医科学研究所 教授
9:05-9:50

■過去・現在・未来:マテリアルが開く医療
[概要]技術開発を主とする医療機器分野の仕事に40 年余携わってきた経験から、産官学それぞれの立場、「医」の提供者と受け取り手という両視点から、新しい医療技術の実現にマテリアルが演じてきた役割を振り返り、今後の医療がどのように展開していくかについてを考察する。

國友 哲之輔 東レ・メディカル株式会社 顧問

9:50-10:35

■生体吸収性医療器材の開発と再生医療への応用
[概要]これまで開発してきたポリグリコール酸、ポリ乳酸等の生体吸収性材料を用いた医療器材の開発と、これら材料を足場に用いた再生医療への応用について。

鈴木 昌和 グンゼ株式会社 取締役兼執行役員 研究開発部長

 休憩(15 分)
10:50-11:35

■株式会社カネカの医療機器開発 ~過去・現在・未来~
[概要]医療機器開発の具体的事例を示ししながら、設計・開発の現状や将来展望を紹介する。

西出拓司 株式会社カネカ 医療器事業部 技術統括部臨床・薬事グループ臨床・学術チーム 兼 医療器研究グループ

11:35-12:20

■脱細胞化生体組織を用いた再生型医療デバイスの開発
[概要]脱細胞化生体組織はヒトやブタの臓器・組織から細胞成分を除去した医療用材料であり、すでに欧米で広く臨床応用されている。脱細胞化組織の再生及び一般医療用デバイスとしての応用の現状と将来について紹介する。

岸田 晶夫 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 生体機能修復研究部門 物質医工学分野 教授

 昼休憩(60 分)
13:20-14:05

■Cell LEGO ―細胞から組織を作る―
[概要]ES/iPS細胞から機能細胞を分化し、それを用いて病気の治療を行うための研究が行われている。しかし、機能細胞を移植するのみで治療できる疾患は限られている。体の中の組織ではそれぞれの機能を持った細胞が適切な位置に配されて、組織としての機能を発揮している。本セミナーでは、種々の細胞を望みの位置に配置する方法について述べる。その応用の一つとして細胞を用いた糖尿病の治療について紹介する。

岩田 博夫 京都大学再生医科学研究所 所長 教授

14:05-14:50

■アパタイト配向性に基づく骨微細構造の解析と制御
[概要]骨の主成分であるアパタイト配向性は、応力等に敏感であり、配向度合いを指標とすることで、骨組織の再生過程、骨組織疾患の形成過程、創薬支援等、幅広く利用できる。配向性の制御法も含めて解説する。

中野 貴由 大阪大学大学院 工学研究科 マテリアル生産科学 専攻教授 大阪大学 臨床医工学融合研究教育センター 教授

 休憩(15 分)
15:05-15:50

■骨リモデリングと調和して骨に置換される炭酸アパタイト
[概要]炭酸アパタイトは自家骨の無機組成であり、炭酸アパタイト顆粒は自家骨と同様に骨リモデリングによって骨に置換される人工骨置換材である。前駆体を用いた炭酸アパタイトの調製法や組織反応を紹介する。

石川 邦夫 九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 生体材料学分野 教授

15:50-15:55■閉会の挨拶
岩田 博夫 京都大学再生医科学研究所 所長 教授

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*セミナー情報は2013年2月8日現在のもの。内容は変更になる可能性もあります。

*セミナー参加へのお問い合わせは、conferencejapan@ubm.com まで。

ウェブでの申込みは、3月よりMEDTEC Japan専用サイトで受付を開始する。

(4月12日までの申込みは早期割引料金が適用される)

<聴講料金>

*国際セミナー

 早朝割引(4月12日までの登録)4月13日以降(当日登録を含む)
1日参加15,000円20,000円
両日参加25,000円30,000円

*サプライヤー向け、スマートヘルス、BIOMEDivceセミナー

早朝割引(4月12日までの登録)4月13日以降(当日登録を含む)
10,000円15,000円

 

 

 

これらの有料セミナーとは別に、MEDTEC Japan展示会場内では「最新技術フォーラム」、「エレクトロニクス・プロトタイピング技術フォーラム」を無料で開催する。

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第2回MEDTEC イノベーション大賞、募集中

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UBM Canon社は、ものづくりの技術を医療機器分野へ発展させた日本企業を顕彰する「第2回MEDTECイノベーション大賞」を実施する。募集期間は2013年1月21日(月)から2013年3月8日金曜日(必着)まで。沢山の応募が来ており、募集締切を当初の3月1日(金)より1週間延長している。 応募は、専用ホームページから。

3月中旬までに第1次審査(書類)にて最多10社が選定され、第2次審査は、MEDTEC JAPAN 2013開催初日(4月24日水曜日)に各社10分間(講演8分/質疑応答2分)のプレゼンテーションの後、審査員によるその場での審査後、受賞社が決定、表彰式が開催される。

「MEDTECイノベーション大賞」は、昨年UBM Canon社が、日本医療機器産業連合会、日本の技術をいのちのために委員会、日本医工ものつくりコモンズと連携し、我が国の産業・文化を支えてきたものづくりを医療機器分野に応用させるため、臨床現場の課題を汲み取り、それを解決する技術・製品の開発につなげた企業について、その存在を広く社会に知ってもらうことを目的とする顕彰制度だ。

昨年2012年に創設後、今回で第2回を迎える。昨年の受賞社は以下の通り。

MEDTECイノベーション大賞:朝日インテック「ガイドワイヤー、コイル」(動画はこちら

優秀賞:株式会社シャルマン「チタン微細加工技術」(動画はこちら

加工技術賞:ミスズ工業「Evaheart部品加工」(動画はこちら

チャレンジ賞:株式会社メトラン「人工呼吸器」(動画はこちら

期待賞に株式会社スズキプレシオン「単孔ポート」(動画はこちら

奨励賞グンゼ株式会社「自己血糖測定装置」、永島医科器械株式会社などによる「内視鏡手術ナビゲーター」、株式会社アクトメント「巻爪矯正具」、二九精密機械工業株式会社「βチタンパイプ」、株式会社東鋼「切削工具」。

 

<MEDTEC大賞の概要>

主催:UBM Canon Japan G.K.

後援:日本医療機器産業連合会

協賛:日本の技術をいのちのために委員会

      日本医工ものつくりコモンズ

賞の名称

MEDTEC イノベーション 大賞 (1社)

優秀賞(数社)

奨励賞(数社)

受賞メリット

受賞製品は、UBM Canon社発行の『医療設計と製造技術』誌(日本語)の電子版・紙媒体で特集記事として取り上げられる他、同誌の英文姉妹誌でも製品紹介を英語で掲載される。

対象製品

工作機 /金属加工機/射出成型機/押出機/レーザー技術/金属原材料/プラスチック / セラミック原材料/各種工具/ワイヤー / ばね/チューブ類/各種完成部品/マイクロ / ナノ技術/表面処理技術/半導体/センサー/電源 / 電池/電子部品各種/ロボット技術/測定 / テスト機器/包装用機械/包装材料/印刷 / ラベル技術/消毒滅菌技術/フィルター/無菌衣 / マスク等/OEM /処置用医療機器(注射器具類、チューブ・カテーテル類、ディスポーザブル製品、外科・整形外科用手術材料)/手術用機器(整形外科手術用器械器具、切断 / 切削器具、ピンセット・鉗子類)/生体機能補助/代行機器(人工関節、人工呼吸器、人工心肺装置、人工腎臓装置、麻酔器)/生体機能検査/計測機器(心電計、脳波計、血圧計、トポグラフィー、内視鏡)/衛生材料/用品

(医療脱脂綿、ガーゼ、無菌衣、用品)などを取り扱う企業

応募方法

専用応募用紙に必要事項を記載し、事務局宛(aiko.takigawa@ubm.com)に電子メールにて(3月1日金曜日〆切)送付。

審査方法

有識者で構成された審査委員会で審査。

第一次審査(書類)にて最多10社選定

第二次審査は、MEDTEC JAPAN 2013開催初日(4月24日水曜日)に各社による10分間(講演8分/質疑応答2分)のプレゼンテーション後、審査員がその場で審査。受賞社決定後、表彰式を開催。

審査員

審査委員長:

妙中義之氏              日本の技術をいのちのために委員会代表
北嶋正樹氏日本医工ものづくりコモンズ代表

副審査委員長:

Christopher Eve氏UBM Japan社長

委員:

古川孝氏医機連常任理事
本間一弘氏独立行政法人産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門副研究部門長 
竹上嗣郎氏東北大学NICHe副センター長・教授
中野壮陛氏財団法人医療機器センター医療機器産業研究所 主任研究員
宮田昌彦氏朝日インテック株式会社(昨年大賞受賞企業)代表取締役社長

 

 

 

 

 

 

 

通知方法

プレゼンテーション開催日(MEDTEC JAPAN 2013初日)の2週間前までに各企業へ連絡。顧客へのプレゼン聴講参加のお願いも同時に行う。

表彰式

MEDTEC JAPAN 2013 開催1日目(4月24日) 午後3時30分より予定

発表

受賞社が出展社の場合、ブースに受賞パネル等展示予定

 

 

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ガンマ線照射による放射線滅菌・高分子材料の改質を受託

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コーガアイソトープは西日本唯一のガンマ線照射受託サービス会社。ガンマ線照射による滅菌や、高分子材料などの改質を受託している。現在、3つの照射施設が24時間稼働している。

唯一のガンマ線照射サービス会社として、
滅菌を中心に高分子材料の改質なども手
がけ、現在3つの照射施設が24時間稼働
しています。

ガンマ線照射による滅菌は、最終梱包形態での処理が可能であり、処理後はエンドユーザーへの直送が可能だ。さらに、有害残留物がないので、滅菌目的としては医療機器をはじめとして医薬品・容器包装材料・衛生材料・検査器具など幅広い分野で利用されている。

また、同社では滅菌線量設定に必要なバイオバーデン測定や、無菌試験などの微生物試験からガンマ線滅菌の実用化まで、一貫したサービスを提供している。

微生物試験のみの依頼、微生物取扱技術者養成のための研修も受け付けている。ガンマ線照射に関しての相談、微生物試験の詳細などに関する問い合わせは、同社ホームページまたはホームページに記載されている代表電話で受けつけている。


株式会社コーガアイソトープ

www.koga-isotope.co.jp

 

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着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングを可能にする素材

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図1:シルク表面をPEDOT-PSSで均一にコーティングすることで、柔軟性・導電性・生体適合性を損なうことなく、十分な引張強度を与え耐水性・加工性の課題を解決。

日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングを可能にする素材の作製に成功した。シルクや合成繊維の表面に導電性高分子のひとつであるPEDOT-PSSをコーティングすることで素肌に優しい導電性複合素材にした。


従来の医療用電極では、電解質ペーストを使用し素肌に粘着させて計測していたが、本素材を用いたウエアラブル電極では、柔軟性・親水 性・強度に優れており、炎症や不快感等が生じにくく素肌になじみやすい特徴を持っている。電解質ペーストなしで従来とほぼ変わらない安定した信号の計測が可能という。

 

図2:PEDOT-PSSをコーティングした布を電極としてシャツに配置することで、着衣だけで心拍・心電図の計測が可能。装着者に負担をかけず、24時間以上のモニタリングが可能となる。

健常者10名を対象に本素材を用いたシャツの装着試験および安全性確認試験を実施した結果、接触性皮膚炎(かぶれ)などが発生することなく24時間以上の連続使用に対して安定な心拍計測・心電図計測を確認した。

本成果は、着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングが可能となることを示しており、基礎研究や将来の医療分野での応用だけでなく、スポーツ・健康増進等の様々なシーンでの活用が期待される。

今後は、100人規模を対象とした装着試験にて安全性や有効性の更なる検証を行う。

また、大学の医学部等と連携し患者の負担が少ない心電図の長期測定およびモニタリング、基礎研究や在宅医療・遠隔医療等の医療分野への応用を検討する予定。

患者の負担が少ない医学検査や治療サポート技術、 健康増進に最適なスポーツウエアの適用などの検討もおこなっていく。

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レディガガの臀部手術で新手術法に注目集まる

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ポップ界の女王レディーガガが先週、臀部の手術を受けた。1カ月以上前にワールドツアー「ボーン・ディス・ウェイ・ボール」中にケガを負ってから激しい痛みを隠していたが症状が悪化し、滑膜炎になり手術に踏み切ったという。このニュースを受け、英Surgical Innovations社はプレスリリースを配信し、先駆的な低侵襲臀部手術の技法に注目が集まるだろうと期待を寄せている。

 

その技法とは、臼蓋のまわりを環状にとりまいている繊維軟骨を、関節の内視鏡で観察しながら手術をする方法。高い技術が必要なため、実際にはまだ限られた人数の整形外科医によってのみにしか実施されていないが、今後、外科医向けの訓練が実施され、手術の回数も増えていくに従い、本手法が用いられるケースも多くなる。そう予言するのは英Surgical Innovations社の臨床顧問委員を勤めるJon Conroy医師。ガガがツイッターやフェイスブックなどで手術について投稿しているのも、手術の宣伝に大きく貢献するとみられている。

Conroy医師は、「臀部の関節を覆う結合組織の層である滑膜の炎症は、スポーツ選手やダンサーにおこりやすく、放っておいて自然治癒する種類のものではない」と語る。「ガガが受けたような手術により臼蓋のまわりを環状にとりまいている繊維軟骨を縫い合わせ、関節鏡視下手術を追加的におこなうことで人工股関節置換手術をしなくてもすむようにする」という。

今回のことで内視鏡による臀部手術は、有名人によるお墨付きをもらえたと言えるのか?しかし、何でも有名人に頼るというのは危険ともいえる。義肢メーカーのÖssurオズール)社やナイキは、両足義足のランナーのオスカー・ピストリウスを広告に起用し、オリンピックやパラリンピックでの彼の活躍で企業イメージを上げたかに見えたが、ピストリウス氏が、恋人を殺害したとして訴追され、被告になってしまったことによるイメージダウンは避けがたく、有名人によるお墨付き(celebrity endorsements)の難しさを姉妹誌MD+DIの編集者Jamie Hartford編集長はブログで語っている。

 

 

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